「ラブレーの子供たち」読了。

 四方田犬彦著「ラブレーの子供たち」(新潮社)読了。歴史上、多くの作家や芸術家たちは「食」に対して強いこだわりを持ち、時には優れたレシピ集を残した。本書はそれらの料理を再現し、実際に味わう試みをもとに書かれた、「芸術新潮」の連載をまとめたもの。
 取り上げられているのは、「ロラン・バルトの天ぷら」、「ラフカディオ・ハーンクレオール料理」、「ギュンター・グラスの鰻料理」、「澁澤龍彦の反対日の丸パン」などなど、タイトルを見ただけで興味深いものばかり。2005年の単行本刊行時に購入しているのだが、どうして今まで未読だったのか不思議なくらいに面白くて、読み終えるのがもったいないくらいだった。
 四方田犬彦、「人、中年に到る」(白水社)を出して以来、あれほど量産していた著作がめっきり減ってしまったが、復活を願ってやまない。体調悪いのかなあ。

ラブレーの子供たち

ラブレーの子供たち