「長女たち」読了。

 篠田節子著「長女たち」(新潮文庫)読了。老親との間に確執を抱えた長女が主人公の3つの中編を収録。認知症、糖尿病、孤独死など、現代社会が直面するテーマを背景に、主人公たちは息苦しいほど真面目に家族に向き合っていく。
 読み終えると、「長寿社会は真の幸福をもたらしたか」「最先端医療は人類を幸せにしたか」がテーマだったことに気づく。しばらくはこのテーマが心の中にとどまっていそうな気がする。自分の母親は68歳であっけなく死んでしまったが、介護や高齢化社会はこれからの文学が向き合わなくてはならない、重要なテーマなのだろうと思う。

長女たち (新潮文庫)

長女たち (新潮文庫)

 最近、女性作家の重めな本ばかり読んでいるのでしんどくなってきた。そろそろ全然トーンの違う、冒険ものとかが読みたい。すかっとするやつ。