「パイナップルの彼方」読了。

 山本文緒著「パイナップルの彼方」(角川文庫)読了。昨晩読んでいたら、久しぶりに止まらなくなって、朝4時ごろまでかけて読み終えた。「私、この作家が好きだなあ」としみじみ感じた一冊。
 主人公は信用金庫で働く23歳の深文(みふみ)。耳の上まで短く刈った髪型とか、副業として雑誌に裸の女性のイラストを描いているとか、普通のOLとは少し違った面のあるこの主人公が、私はとにかく好きだ。ほかの登場人物も、個性的で強烈に面白い。唯一深文の恋人・天堂がやや優等生すぎるかな?という気がするが、あまりにも変な人ばかりだと物語が成立しないだろうから仕方ない。
 単行本が出たのは1992年1月というから驚きだ。確かに携帯電話もメールも出てこないけれど、24年も前に書かれたとは思えない鮮度抜群の長編小説。素晴らしい。
 ↓ 読んだものはこの表紙とは違う。最近新装されたらしい。

パイナップルの彼方 (角川文庫)

パイナップルの彼方 (角川文庫)