「さようなら、オレンジ」読了。

 岩城けい著「さようなら、オレンジ」(ちくま文庫)読了。大江健三郎賞太宰治賞ダブル受賞の話題作。
 オーストラリア在住の著者ならではの感覚で書かれた、異文化社会で生きる者たちの格闘をテーマにした純文学小説。自分のような語学もできない、海外での経験も持たない閉鎖的な人間には貴重な作品だ。手紙やメールの文章を上手く挿入していて、構成もよくできている。今後もこの作家には注目したいと思います。