セットアッパーの苦悩。

 BS1の「アスリートの魂 “一球の重み”を胸に 中日 浅尾拓也」を見た。浅尾の投球フォームの解説や、グアムでの自主トレーニングの様子、今シーズンここまでの苦悩など、みどころいっぱいの内容だった。
 肩を壊さないようフォームに気をつけるあまり、自分の本来の投球ができないことに悩む姿は、これまであまり見たことがない素顔の浅尾投手だ。しかし、悩む姿も男前。チームメートからも「顔がいい」だの「アイドルか」だの茶化されていたが、そういうことはもう言われ慣れている感じ。
 セットアッパーという役割の難しさも大いに感じた。クローザーは9回の頭から登板することが多いし、最終的に勝てばそれでいいというところがある。しかし、セットアッパーはピンチで登場することも多いし、勝っている状況をそのまま引き継ぐことが要求される。浅尾は防御率0の投手を目指したいと言っていたが、それはあまりにもしんどいだろう。去年があまりにも良すぎたから、周りもつい比べてしまう。たまには打たれたっていいんだよ。
 中日には岩瀬、和田、山崎、山本昌ら声をかけてくれるいい先輩がたくさんいることもよくわかった。山本昌以外は3人とも愛知または岐阜出身。浅尾も地元の無名校出身だし、中日の東海地区におけるスカウト網は本当にすごい。ローカル新聞の球団らしい、地域密着ぶりだと思う。監督が高木守道になって、ますますその傾向は顕著。堂上兄弟も頑張ってほしい。