「朝が来る」読了。
辻村深月著「朝が来る」(文春文庫)読了。表紙が女の子(だよね?)の後ろ姿の写真なので、女の子が出てくるのかと思ったら男の子だった。
物語としては、後半の特別養子縁組の顛末がメインテーマなのだろうが、第一章の幼稚園での出来事の話があまりにも心ふるえる内容で、久しぶりに目頭が熱くなった。たぶん、私も朝斗と同じ年長の息子がいるからだろう。結局、自分の立場に近い設定の物語がいちばんリアルに共感できるものなのかもしれない。
つらい不妊治療の末に養子を貰うことになり、赤ちゃんを抱いた瞬間「朝が来た」と思えたという夫婦の心理。素晴らしいタイトルだと思う。後半はミステリーの種明かし的な展開になり、やや物足りなかった。ラストシーンももう少し工夫が欲しい。その後はどうなったのか、ヒントがあるとよかったのでは。
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/06/15
- メディア: 単行本
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