「軽薄」読了。

 金原ひとみ著「軽薄」(新潮文庫)読了。結婚や子育て、海外での生活など、著者自らの生活を最大限小説に反映させているらしいのは相変わらず。心の機微を的確にすくい取って文章で表すことができるのはすごい才能だけど、精神的にかなりしんどい作業なのではないだろうか。むしろすっきりするのかなー。
 物語としてはあまり面白いとは思えなかったが、作家としての金原ひとみをますます信頼できると思えた作品。他人に「面白いから読んでみてー」と気軽に薦めるのはやめたほうが無難です。
 しかし、あらゆることがバッシングされる昨今、未成年の飲酒を小説に書くのは、問題にならないのだろうか。「同様の行為を助長する」とかなんとか言って。ありえるような。そしてLGBTが登場する小説やドラマなどが最近やたら多いのが気になる。時事ネタなのでよく使われているのかもしれないが、ちょっと「またかよ」という気持ちになった(昨日読んだ「もものききかじり」にも出てきたので)。

軽薄 (新潮文庫)

軽薄 (新潮文庫)