「羊と鋼の森」読了。

 宮下奈都著「羊と鋼の森」(文春文庫)読了。主人公はピアノの調律師。ピアノの構造に由来するタイトルが素晴らしいし、調律という未知の世界の奥深さが味わえて、惹き込まれ、夢中になって読んだ。
 ただ、「調律」というジャンルを生かしたモチーフ小説としては面白いが、主人公の自分探し的な要素がやや強すぎるように感じた。もやもやとした内面を描きたい気持ちは分かるけど、やりすぎるとせっかくの魅力的な主人公が台無しになってしまう。そこは残念。
 でも、調律師を目指すきっかけになった冒頭のシーンとか、スウェットの青年が「子犬のワルツ」を弾く場面など、魅力的なエピソードがいっぱい。山粼賢人主演でもうすぐ映画が公開されるらしいので、見に行きたいです。ピアノを習っている娘も一緒に連れて行こう。

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)