「天才」読了。

 石原慎太郎著「天才」(幻冬舎文庫)読了。一昨年のベストセラーが文庫になったので読んでみた。小学校卒で総理大臣となり、「日本列島改造論」を唱えて辣腕を振るった政治家・田中角栄の生涯を、一人称でたどっていく。石原作品は「秘祭」「生還」などを読んだが、文章が素晴らしく、それこそ「天才的」な作家だと思っていたので、大いに期待していたのだが・・・。
 正直、なんとか最後まで読み終えたという感じ。角栄の凄さをコンパクトにまとめていて、知らなかったことも多かったけれど、作家・石原慎太郎のファンとしてはがっかりな内容。ライブで知っている世代はもっと読みやすいのかなあ。92万部も売れたというが、みんなちゃんと読んだのだろうか。ここまで売れるような本とは思えない。幻冬舎の仕掛け勝ち。

天才 (幻冬舎文庫)

天才 (幻冬舎文庫)