「不恰好な朝の馬」読了。

 井上荒野著「不恰好な朝の馬」(講談社文庫)読了。団地や喫茶店で出会う通りすがりの人にも、傍からはわからないような過去や秘密がある・・・。そんな気持ちにさせられる連作短編小説集。
 井上荒野ならではの不穏な雰囲気の漂う人物ばかり。最後の「真夏のペリメニ」は一見ホッとする物語だが、このまま上手くいくとは到底思えないし、千早さんの今後が心配。救いがあるのは、秘密結社の親分を自称する悠ちゃんのキャラクター。この子は両親がグチャグチャになっても、たくましく生きていきそう。

不恰好な朝の馬 (講談社文庫)

不恰好な朝の馬 (講談社文庫)