「プラナリア」読了。

 山本文緒著「プラナリア」(文春文庫)読了。「無職」をテーマにした5つの短編を収録した直木賞受賞作。
 「専業主婦」ということになってはいるものの、「無職」である自分には、ものすごくタイムリーなテーマで感情移入しやすかった。さすが山本文緒、核心をつくなあ。無職であることに大変な後ろめたさを感じる今日この頃・・・。そうか、就労は国民の義務なんだったな。「健康なのに働かないなんて犯罪だぞ」(「あいあるあした」の真島のセリフより)。ですよね・・・。
 直木賞受賞作って「どうしてよりによってこの作品が?」っていうものが多いけれど、これは本当に5編すべてが秀作。「プラナリア」という表題も、「一体どんな本なんだろう?」と思わず手に取ってしまう、不思議な魅力があって素晴らしい。でも、文庫なのに解説がないのは残念。なんでかな? 角田光代あたりに書いて欲しかった。

プラナリア (文春文庫)

プラナリア (文春文庫)