「火口のふたり」読了。

 白石一文著「火口のふたり」(河出文庫)読了。主人公はバツイチの鬱病持ちの男性、という白石作品の定番的キャラクター。モヤモヤした彼の内面描写やセックス描写(やりすぎ)が続くのは相変わらずだが、後半の展開(ネタバレ:富士山大噴火)はあまりにも意外で驚いた。
 そのせいでヤケクソ気味のふたりの行動はさらにエスカレート。東日本大震災を小説に取り入れようとする姿勢はいいと思うけれど、今作は急にリアリティが失われてしまうので読者の気持ちは冷めてしまうかも。