「生還」読了。

 石原慎太郎著「生還」(新潮文庫)読了。末期癌と診断された主人公は、3年半に渡る孤独な療養生活の末、奇跡的に生還を果たす。「死」の淵から這い上がった後に手にした「生」は、これまでとは全く別のものだった・・・。
 素晴らしい日本語。作家の書いた文章はこうでなくっちゃ。久しぶりに読み応えのある小説に出会えて嬉しい。平林たい子賞受賞の表題作ほか、短編「院内」、「孤島」を収録(この2つはやや実験的)。政治家としても稀有な存在だったが、作家としてもやはりすごい。最近もちょこちょこ書いているようだから、読んでみたくなった。

生還 (新潮文庫)

生還 (新潮文庫)