「やむを得ず早起き2 夏目さんちの黒いネコ」読了。

 関川夏央著「やむを得ず早起き2 夏目さんちの黒いネコ」(小学館)読了。政治、文学、マンガ、芸能、将棋などなど、話題の幅広さに驚かされる。でも、いちばん多いのは韓国・中国ネタか。やはり「週刊ポスト」の連載という感じ。

 印象に残ったのは、草森紳一の蔵書について書かれた回の以下の部分。

 学生が下宿やアパートの部屋に本棚を二、三本持っていたのは一九八〇年代までだろう。友の部屋を訪ねて本棚を見る。こういうのを読んでいるのかと警戒し、また安心する。教養と趣味の偵察、要するに背伸びのしあいだった。
 いま、紙の本を大量に持っている青年などいない。本と教養が等価だった時代は彼方へ去った。 (「蔵書の行く末、人の運命」、89ページ)

 私は人の本棚を見るのが大好きなのですが、訪ねてみると、本棚のない家が結構多いですね。恥ずかしながら、我が家では今だに本棚は立派なインテリアとして君臨し続けております。