「夢のなかの魚屋の地図」読了。

 井上荒野著「夢のなかの魚屋の地図」(幻戯書房)読了。デビュー時から現在までの約24年間に書かれたものをまとめた、初めてのエッセイ集。
 父である作家・井上光晴については「ひどい感じ―父・井上光晴」(講談社文庫)で知っていたが、旦那さんに関する情報は初めて読んだので驚くことが多かった。まず、古本屋さんであること(店舗はないようだ)。作家と古本屋の夫婦って他に例がないのではないか。素敵な組み合わせ。そして下戸であること。さんざんお酒にまつわるエピソードが登場し、無類の酒飲みであるらしい著者が、お酒を飲まない男性と結婚したというのはかなり意外だった。
 著者のファンにはたまらない、内容盛りだくさんの一冊。中でも、「なにがそんなに」と「自然食品店の粋」が面白かった。

夢のなかの魚屋の地図

夢のなかの魚屋の地図