「TRIP TRAP トリップ・トラップ」読了。

 金原ひとみ著「TRIP TRAP トリップ・トラップ」(角川文庫)読了。相変わらず、痛々しいまでに赤裸々な連作短編集。沼津、パリ、ハワイ、イタリア、江ノ島・・・。著者そのものであるように思われる主人公・マユの、旅をめぐる物語が綴られる。最後の「夏旅」(このタイトルはどうかと思う)が特に秀逸で、しびれた。
 以下、「夏旅」から少し抜粋。

 結婚以来夫とはよく旅行に行った。でも二人で行く旅行が息抜きやストレス発散、新しい体験、などの輝かしいものであるのに比べて、子連れ旅行は我慢と忍耐にまみれた、修行に等しいものだ。 (242ページ)

 確かに、夫と二人で行った新婚旅行はすごく楽しかった(アメリカでメジャーリーグを観戦しまくった)。あんなに楽しい旅行は二度とできない気がする。・・・いや、子連れでもいいから旅がしたいなあ。連休中ですが、夫は普通に仕事なので予定はありません。1泊でいいからどこか行きたいなあ。