「おかしな本棚」読了。

 クラフト・エヴィング商會著「おかしな本棚」(朝日新聞出版)読了。すっかり吉田篤弘氏の文章のファンになってしまったので、刊行時に買って未読だったこの本を読んだ。
 森の奥に持っているという妄想の本棚に置く本を集めた「森の奥の本棚」。カフカの「変身」の文庫本をひたすら並べた「変身する本棚」。表題が「火」とか「月」とか「自由」といった単語ひとつだけの岩波新書を集めた「ただひとつだけの本棚」。さまざまなテーマのもとに選んだ本を並べて背表紙を撮影しただけなのに、こんなに面白いのはなぜだろう。その理由は、著者のこんな言葉に潜んでいるのかもしれない。

 本は「探すこと」がいちばんの醍醐味です。その次に「なかなか読めない」醍醐味があり、三番目にようやく「読む」醍醐味があります。 (173ページ)

 「クラフト〜」名義の本だがほとんど篤弘氏の世界そのままなので、相方(奥さん)の浩美さんはどういう方なのかが気になってきた。

おかしな本棚

おかしな本棚