「奥山准教授のトマト大学太平記」読了。

 奥本大三郎著「奥山准教授のトマト大学太平記」(幻戯書房)読了。トマト大学のフランス文学准教授・奥山万年先生の日常を、ユーモアたっぷりに描いた小説で、NHKラジオテキスト「まいにちフランス語」に連載されていたらしい。フランス語やフランス文学をめぐるエッセンスがちりばめられているが、フランス語を全く知らない私でも読みやすく、興味深かった。
 大学におけるフランス文学研究の落日ぶりを嘆く万年先生だが、この本は残念ながら書店の「昆虫」の棚に置かれていた。著者がファーブル研究の第一人者だからそうなったと思うが、新刊時ぐらいは文芸の棚にも置いてほしい。ただ、書き下ろしで追加された最後の章の結末は、安易すぎてどうかと思った。
 こういう面白大学教授ものの元祖といえば、筒井康隆の「文学部唯野教授」だろう。持っているけど実は未読なので、今年中に読もうと思う。

奥山准教授のトマト大学太平記

奥山准教授のトマト大学太平記

 今年に入って7冊読了。野球が始まると読書量はがくっと落ちるので、今のうちに読んでおかなくちゃ。