「泣かない女はいない」読了。

 長嶋有著「泣かない女はいない」(河出書房新社)読了。著者の小説は以前に短編をいくつか読んだはずなのだが、特に印象が残っていない。この本も時間が立てば忘れてしまいそうな、とりとめのない中編が2編収録されている(カバー裏に書き下ろし掌編あり)。どちらも女性が主人公であり、男性に対して不思議なくらい客観的な視点で描かれている。小説も、エッセイの雰囲気ととてもよく似ていて、読後は「ああ、長嶋有を読んだな」という感じが残る。
 「ぐっとくる題名」という本を出すくらいにこだわりを持つ著者にしては、2作目の「センスなし」という題名はどうかと思う。「泣かない女はいない」は読後に結構ぐっときた。

泣かない女はいない

泣かない女はいない