「地図で読む戦争の時代」読了。

 今尾恵介著「地図で読む戦争の時代 描かれた日本、描かれなかった日本」(白水社)読了。久しぶりに文芸ジャンル以外の本を読み切ることができたので嬉しい。
 「戦時改描」という言葉は初めて知ったが、戦時中は日本の地形を敵国に知られないために、正確であるはずの地図が意図的に歪められていた。本書では、多くの実例を挙げてその実態を明らかにしていく。地図と戦争というこの本のテーマの核心だ。
 軍事施設がその後どうなったかという例も興味深かった。光が丘は、軍用飛行場→米軍宿舎→ニュータウンだったのか。
 私も地図を眺めるのは好きだが、愛好家もここまで達人の域に達すれば、立派な研究者。著者の情熱が伝わってくる、内容の濃い一冊だった。

地図で読む戦争の時代

地図で読む戦争の時代