「友達がいないということ」読了。

 小谷野敦著「友達がいないということ」(ちくまプリマー新書)読了。これはどうしてプリマー新書になったのだろうか。中高生が「ひとりでも生きていける」という帯を見て、自己啓発本として手にしたら理解できないと思う。私は著者の読者として普通に楽しめたが、古今東西の人物や文学作品にまつわるエピソードが無数に散りばめられており、その半分程度は知っている者でないと読み進められないと思う。まあ、このレーベル自体コンセプトがよくわからない。
 著者は「友達がいない、あるいは少ないというような人は、男女を問わず、なるべく結婚することを勧めたい」と述べている。私は大学時代ろくに友達ができず、仕事を通してできた友人もわずかなので、それを恥ずかしいと思うこともあったが、結婚し子どもができたことでなんとかそれを気にしなくて済むようになった。しかし娘が今後幼稚園や小学校に入ると、いわゆる「ママ友」のつき合いをしなくてはならないので今からやや不安を感じている。自信ないなあ。
 この本には西部邁の話が何度か出てくる。次は同時に買った西部邁著「友情」(ちくま文庫)を読もうと思うが、この2冊が同じ版元から同月に出たのは偶然なのだろうか。

友達がいないということ (ちくまプリマー新書)

友達がいないということ (ちくまプリマー新書)