南方熊楠を読む。

 水木しげる著「猫楠 南方熊楠の生涯」(角川文庫)を読んだ。菌類の研究をした人で、南紀白浜に記念館があるという程度の知識しかなかったので、水木漫画で読めるなら一石二鳥と思って手に取った。

猫楠 南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア)

猫楠 南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア)

 しかし、生家が酒屋で裕福ということもあって、生涯組織に属さず自由に生きた人なので、結局何がどうすごいのかよくわからなかった。人物像も、水木流怪人奇人として描かれているので実態がつかめない。
 そこで、中瀬喜陽・長谷川興蔵編「南方熊楠アルバム〈新装版〉」(八坂書房)を出してきた。表紙には「500枚の写真資料で再現する巨人の劇的な生涯!」とあるビジュアル本。おかげでかなりイメージができるようになった。多くの弟子や協力者に囲まれて活動しており、人間的にも魅力的な人物だったのだろう。75歳と長生きをするが、かわいがっていた長男・熊弥が発病することもあって、晩年は寂しい日々を送っていたらしいことが印象に残った。
南方熊楠アルバム

南方熊楠アルバム

 実は鶴見和子著「南方熊楠」(講談社学術文庫)も持っている。熊楠入門には欠かせない有名な本なので、これを読めばさらに熊楠完全マスターだろう。そのうちちゃんと読もう。
南方熊楠 地球志向の比較学 (講談社学術文庫)

南方熊楠 地球志向の比較学 (講談社学術文庫)