ぐだぐだと拾い読み。

 一昨日買ってきた10冊の本を、あちこち拾い読みしている。ひと月で5冊、なんて目標を立ててしまったばっかりに、こういういい加減な読書を最近していなかったが、これも読書の一つのかたちだと思う(ので自らに許可する)。
 「文藝別冊 開高健」(河出書房新社)がなかなか面白い。娘の開高道子が鉄道自殺した時のことなどを書いた、島尾伸三のエッセイが不気味。小林照幸開高健ノンフィクション賞の奨励賞をとって、大学を中退し、執筆の世界への挑戦を決心したというエッセイが、短いけれどよかった。
 よしもとばななの「ごはんのことばかり100話とちょっと」(朝日新聞出版)を半分ぐらい読んだが、これはひどい。いくらさっと書いたエピソード集とはいえ、文章が拙なすぎて耐え難い。「友だち」と「ともだち」が混在していたり、同じ語尾がくり返し遣われていたりして、とても作家が書いたものとは思えない。「!」と「?」の後1文字分空けるというのは常識だと思うが、あえてしていないのかとても読みづらい。内容が軽いのはいいんだけど、表記や言葉の選び方にはもう少し気を遣ってほしい。山田詠美川上弘美のエッセイの素晴らしさを痛感。