「いまも、君を想う」読了。

 川本三郎著「いまも、君を想う」(新潮文庫)読了。著者の妻・川本恵子さんは、食道癌のため2008年に57歳の若さで亡くなった。本書は彼女との思い出を綴った追想記。
 私は結婚してすぐに子どもができたので、子どものいない夫婦の濃密な関係というのはなかなか想像するのが難しい。しかも恵子さんは7歳も年下。私は夫と誕生日が1ヶ月違うだけの同い年なので、その違いもずいぶんあると思う。今後、自分がどのような経験をしながら夫婦として年を重ねていくのか、少し考えさせられた。

いまも、君を想う (新潮文庫)

いまも、君を想う (新潮文庫)

 著者の本を読むのは、「マイ・バック・ページ」、「そして、人生はつづく」に続いて3冊目。いずれも本職の文芸評論ではなく、プライベートなことを書いた内容のものばかり。ちゃんと評論も読まなくちゃな。
 ところで、「そして、人生はつづく」(平凡社)に「よくあるのが、電子レンジで温めたものを取り忘れること。食事が終わってはじめて気がつく」(224ページ)という記述があった。私もときどきそういうことがあって、最近はそのたびに「あ、川本三郎みたいなことをしちゃった」と思ってしまう。