「ソラナックスルボックス」。

 「ヨムヨム」は読み切り小説がたくさん掲載されているので、読んだことのない作家に挑戦するいい機会になる。最新号に載っている窪美澄著「ソラナックスルボックス」を読んでみた。著者はデビュー作「ふがいない僕は空を見た」(新潮社)で山本周五郎賞を受賞し、今注目されている作家の一人だ。
 「ソラナックスルボックス」という不思議なタイトルは、2種類の睡眠薬の名前を連ねたもの。ごく典型的な上京青春小説だが、登場人物の作り方もいいし、文章も上手い。不幸なようで不幸になり過ぎない物語で、すごく私好みの作品だった。まあしいて言えば、最近クスリがらみの話が多いので、「またか」とは思った。
 「ふがいない〜」の方も読んでみたくなった。文庫になってからでいいかな。

ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た