「残虐記」読了。
桐野夏生著「残虐記」(新潮文庫)読了。前半は新潟の少女監禁事件に着想を得たと思われる展開が続くが、「八日目の蝉」と似ている部分が多くて(誘拐された少女の母親なんてほとんど同一人物)、新鮮味がなかった。(「残虐記」は2002年に書かれているので、こちらの方がもちろん先。「八日目の蝉」は2007年刊行。)
実際の事件をヒントに書かれた小説として、島田雅彦の「子どもを救え!」や吉田修一の「さよなら渓谷」などが他に思い浮かぶが、小説として完全に消化するのはなかなか難しい作業だと思う。「事実は小説より奇なり」ということなのか。斎藤環の解説はよかった。ベストな人選だと思う。
- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/07/30
- メディア: 文庫
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