「蹴りたい背中」読了。

 昨晩、綿矢りさ著「蹴りたい背中」(河出文庫)読了。これが芥川賞受賞にふさわしいかどうかはともかくとして、若い才能の確かな萌芽であることは間違いない、と思った。すさまじく現代的で若者的でスケールの小さな小説なので、ここからどう羽ばたいていけるかが見ものだと思う。
 斎藤美奈子の解説が、物語のキモをよくつかんでいると思うので引用しておく。

 なぜ彼女はにな川の背中を蹴ったのか。/いろいろな解釈が可能ですが、身も蓋もないことをいえば、これは一種の性的な衝動なんですよね。(181ページ)

蹴りたい背中 (河出文庫)

蹴りたい背中 (河出文庫)