「禁色」読了。

 三島由紀夫著「禁色」(新潮文庫)読了。573ページ、長かった…。ぐったりしたものの、それほどの感慨が残らない。同じ長編なら、「鏡子の家」の方がずっといい。
 著者がいかに老醜というものを憎んでいたかがよくわかった。檜俊輔のような晩年を送ることは耐えがたかったのだろう。同時に、日本語の究極の使い手であることを改めて実感した。こんな作家はもう登場しないだろう。

禁色 (新潮文庫)

禁色 (新潮文庫)