「八日目の蝉」読了。

 角田光代著「八日目の蝉」(中公文庫)読了。読み終えて「どうしてこれがベストセラーなの?」とか、「なぜこれが映画化されるの?」と思うことはよくあるけれど、今回は大いに納得した。感情移入しやすい巧みなストーリーと、読後に余韻の残る数々の印象的な場面。
 読売新聞夕刊で連載されたようだが、同じ新聞小説の「悪人」よりはるかに出来がいいと思う。「つまりこれは相当に過激なフェミニズム小説なのである」という池澤夏樹の解説もよかった。NHKのドラマは全く見なかったが、永作博美井上真央主演で映画化されるらしいので見てみたい。
 ただ、著者はなぜ誘拐現場となった部屋を火事にしたのかが疑問。もう少し意味づけをしてほしかった。そして、不倫をするなら避妊しろよと思った(そうしたらこの物語は全く成立しないけど)。
 (読了したのは一昨日の夜。直後に書いていないので、ややぼんやりとした感想になっている。すぐ書いていたらもっと熱い文章になっていたかもしれない。)

八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉 (中公文庫)