「八日目の蝉」読了。
角田光代著「八日目の蝉」(中公文庫)読了。読み終えて「どうしてこれがベストセラーなの?」とか、「なぜこれが映画化されるの?」と思うことはよくあるけれど、今回は大いに納得した。感情移入しやすい巧みなストーリーと、読後に余韻の残る数々の印象的な場面。
読売新聞夕刊で連載されたようだが、同じ新聞小説の「悪人」よりはるかに出来がいいと思う。「つまりこれは相当に過激なフェミニズム小説なのである」という池澤夏樹の解説もよかった。NHKのドラマは全く見なかったが、永作博美・井上真央主演で映画化されるらしいので見てみたい。
ただ、著者はなぜ誘拐現場となった部屋を火事にしたのかが疑問。もう少し意味づけをしてほしかった。そして、不倫をするなら避妊しろよと思った(そうしたらこの物語は全く成立しないけど)。
(読了したのは一昨日の夜。直後に書いていないので、ややぼんやりとした感想になっている。すぐ書いていたらもっと熱い文章になっていたかもしれない。)
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/01/22
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 166回
- この商品を含むブログ (208件) を見る