「女ざかり」読了。

 丸谷才一著「女ざかり」(文春文庫)読了。筒井康隆が「この作品の面白さたるやただごとではない」と書いていたので大いに期待して読んだのだが、びっくりするほどつまらなかった。登場人物は全員、女が美人で男がインテリ。劣等感から出発した近代以降の文学とは、ずいぶんかけ離れた世界に思える。
 タイトルの野暮ったい印象そのままの内容。旧仮名・旧漢字遣いのせいもあるだろうが、かなり古くさく感じた。それは、人間の普遍的な精神の機微を描いていないからではないだろうか。丸谷才一の小説をほかに読んでいないのでなんとも言えないが、教養のある頭のいい人が優れた小説を書けるとは限らないと思った。
 吉永小百合主演で映画化されたようだが、どんな作品なんだろう。あまりいい素材とは思えないけどな…。
 (ああ、今日はいつになく辛口。あとで後悔しそう。読了直後に勢いで書いてしまった。面白かった部分もあるんだけど、私が小説に求めているものがなかったということです。)

女ざかり (文春文庫)

女ざかり (文春文庫)