「八朔の雪 みをつくし料理帖」読了。

 夫が6日間地方に出張だったので、娘を連れて両親の家に行っていた。娘と二人きりで過ごすのは正直しんどいので、実家が近いというのは実にありがたいと思う。昨日の夜、家に戻ってきた。
 高田郁著「八朔の雪 みをつくし料理帖」(ハルキ文庫)読了。時代小説好きの母に薦めた本だが、先に自分が読んだ。昨年末の読書特集でよく取り上げられていた記憶がある。著者が元漫画原作者らしいので人物設定や展開がやや漫画的に感じられるが、読みやすくて面白かった。NHKがすぐにでも時代劇化したがりそうな作品。いや、春樹事務所だから映画化かな。
 何よりの魅力は、上方と江戸の食文化の違いがストーリーに巧みに織り込まれている点。出汁の違いや心太の食べ方の違いなど、とても興味深かった。主人公の澪が作る料理はどれも美味しそうだが、昆布と鰹節の合わせ出汁を使った「とろとろ茶碗蒸し」が特に食べたい。具は海老と銀杏と百合根。

八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

 夫は出張中、阿部和重著「シンセミア」(朝日文庫、全4巻)を読了した模様。私が散々絶賛していたので読んだようだが、面白かったらしい。だいぶ内容は忘れたけど、あの興奮を実感してもらえたようでよかった。