「オシムの伝言」読了。

 千田善著「オシムの伝言」(みすず書房)読了。著者はオシムサッカー日本代表監督の通訳を務めた国際ジャーナリスト。旧ユーゴスラビアの文化や歴史にも詳しい彼だが、一筋縄ではいかないオシムの指示や発言をいかに訳すべきか、非常に苦心したようだ。
 オシム脳梗塞で倒れたというニュースを聞いたときの衝撃は今も記憶に新しい。入院やリハビリの様子など、一番身近にいる著者だからこそ書けた貴重な一冊。
 オシムが代表監督を退任して、すっかり日本代表も様変わりした。阿部、巻、羽生、山岸などジェフの選手たちも選出されることはなくなった。オシムの目指した「走るサッカー」、もう見ることはできないと思うと寂しい。

オシムの伝言

オシムの伝言

 ただ、興ざめする誤植を2箇所見つけてしまったので、増刷時には直して欲しい。みすずともあろうものが・・・。
・134ページ9行目「オーストラリアシュトゥルム・グラーツ
・190ページ13行目「精神衛生上の問題が発声することがある」