「悪人」読了。

 吉田修一著「悪人 上・下」(朝日文庫)を読了。あれれ・・・普通のミステリーですね。ちょっと物足りないというか、あれほど絶賛されていた理由がわからない。この手の話なら「パレード」(幻冬舎文庫)の方がいいような気がするのは私だけ?
 しかし、今ワイドショーをつけたらそのまま流れてきそうな物語だな。主人公や被害者の家族の描写が秀逸で、作品の現代性を浮かび上がらせている。また、登場人物が「九州」という舞台に巧みに配置されており、方言の使い方も含めて、実に吉田修一らしい。
 ところで、朝日新聞連載時には毎回挿絵が掲載されたはずだが、こういう普通のミステリーだと大変そうだね。時代小説とかなら描きやすそうだけど。当時は朝日を読んでいたはずだけど、誰が描いていたんだったかまるで記憶がない。
 そういえば、来年映画化されるんだよね? 深津絵理はまだわかるけど、どうしても妻夫木くんとはイメージが合わない・・・。金髪はともかく、身長が・・・。顔立ちが・・・。