松本侑子の思い出。

 昨日、ジュンク堂松本侑子の新刊「恋の蛍 山崎富枝と太宰治」(光文社)が並んでいた。大学で彼女の授業を受けたことがあるので、とても懐かしく感じた(講師として来ていた)。「赤毛のアン」などの作品を取り上げて、いろいろと話をするというような内容の授業だったと思うが、2回ほど出席しただけなのではっきりと記憶していない。つまらなかったわけではなく、むしろ大変興味深い講義だったのだが、時間が早かったとか、教室が狭くて居心地が悪かったとか、そういう理由で行かなくなったのだと思う。
 彼女を最初に見たとき、なんてかわいらしい人だろうと思わず見とれてしまった。こんなに綺麗な人がなぜ作家なんてやっているのだろう、と不思議に思ったものだ。作品を読んだことがなかったので、「巨食症の明けない夜明け」(集英社文庫)を急いで生協で買って読んだ。そういえば、倉田百三のことを「くらたももぞう」と言っていたことだけを、妙に覚えている(正しくは「ひゃくぞう」である)。
 ウィキペディアによると、彼女は元テレビ朝日のアナウンサーで、ニュースステーションの初代お天気キャスターらしい。どうりで綺麗なわけだ。あの洗練されたかわいらしさは岸本葉子に匹敵する。

恋の蛍 山崎富栄と太宰治

恋の蛍 山崎富栄と太宰治