「村上春樹『1Q84』をどう読むか」について。

 昨日買った「村上春樹1Q84』をどう読むか」(河出書房新社)、予想以上に面白くて8割ほど一気に読んだ。
 一番面白かったのは、大森望豊崎由美の「メッタ斬り!」対談。特に大森氏の「パンチラつかみ説」には笑った。岩波文庫の「サハリン島」にふかえりの推薦文をつけて売ればいい、という所も。
 その他、牛河が「ねじまき鳥クロニクル」にも登場する人物であること、編集者・小松のモデルがヤスケンであると思われることなど、知らなかったことも多かったので、勉強になった。巻末の「カルチャー・キーワード」の解説も嬉しい。
 激しい嫌悪感の表明のみに終始する竹内真(誰だろう、この人。ただのあまのじゃくだと思う)の文章や、永江朗など箸にも棒にもかからないようなものもあって、まあある意味読み応えのある一冊となっている。何はともあれ、これだけ多くの人が、一つの小説や一人の作家について語り、本にもなるということは素晴らしいことだと思う。ただ、内田樹の文章がブログからの転載だったのはがっかりした。

 蛇足だが、誤植が多いのには笑ってしまう。特に、円堂都司昭の147ページ下段5行目の「『空気あざみ』というカルト体験談・・・」という箇所と、越川芳明の203ページ上段12行目の「子宮を破壊された少女つばめ・・・」という記述には、目を疑ってしまった。「つばめ」って・・・。