「ペンギンの憂鬱」読了。

 今日の天気は基本的には雨なんだけど、ときどきふいに青空が覗いたりする変な天気。寒い。こたつだけではしんどい。引越し先はもっと過酷な寒さなのだろうが。24日に引っ越します。
 「ペンギンの憂鬱」をようやく読了。そんなに読みづらいわけではなかったが、近ごろ本を読むペースがものすごく遅い。相方は2日に1冊というようなハイペースの読者。私の紹介する本をあっという間に読んでいく。羨ましいような、でも別にそうなりたいわけでもない。
 動物園からペンギンを引き取った売れない短編小説家が、まだ生きている人間の「追悼記事」を書く仕事を引き受ける。それ以降周囲では奇妙な出来事が次々と起こる。預かることになった少女とペンギンとのやりとりなどは、とてもかわいらしくほのぼのとしているが、仕事に関する話は謎だらけで、結局最後まで全容は明らかにはならなかった。それがちょっと消化不良だけど、ミステリーとして書かれた作品ではないので、そこは自分で想像しろということなのかな。哲学めいた主人公の思索や人生観の描写が、共感できる部分も多く、印象深い小説だった(読後に考えるといろいろわかってきたぞ)。
 次は、開高健著「日本三文オペラ」(新潮文庫、版元品切れ)を読みます。

日本三文オペラ (新潮文庫)

日本三文オペラ (新潮文庫)