ときどき読みたくなる山際節。

 本日の読書。山際淳司著「ルーキー」(角川文庫、現在品切れ)。昭和61年に西武ライオンズに入団したルーキー・清原和博を追ったスポーツ・ノンフィクション。ライオンズ・ブルーのユニフォームをまとった清原の記憶を甦らせたかったため。引退を期に、復刊して欲しい1冊。

 清原についてではないが、冒頭の山田久志がシンカーを覚えた時の記述が印象深い。


 シンカーを試しはじめて、ほぼ二年間、山田はゲームで投げるのをガマンして、その変化球に磨きをかけたというのだった。
 これは使えると思うと、多投する。あらゆる場面で使いたくなる。新しい変化球を投げるには、それまであまり使わなかった筋肉を使うことになる。それを実際の試合で多投すれば、おのずと肘や肩に負担をかける。それを避けるという意味あいもあった。新しい変化球をおぼえ、得意になって投げつづけると必ず体のどこかに故障が起きる。それでつぶれていく投手は少なくない。


 新球・シュートを覚えて調子を崩した上原君、わかったかね。