2012 読書を振り返る。

 今年はつわりや出産があったわりには、ちゃんと50冊読めたのでよかった。

 【1月…6冊】 蓮池薫著「半島へ、ふたたび」/長嶋有著「泣かない女はいない」/佐野眞一著「あんぽん 孫正義伝」/白石一文著「永遠のとなり」/荒川洋治著「忘れられる過去」/佐野眞一著「劇薬時評」
 【2月…6冊】 奥本大三郎著「奥山准教授のトマト大学太平記」/ミハイル・A・ブルガーコフ著、水野忠夫訳「犬の心臓」/篠田節子著「仮想儀礼 上・下巻」/荒川洋治著「日記をつける」/三島由紀夫「夜会服」/山田詠美著「学問」
 【3月…5冊】 川村湊著「戦後文学を問う」/村上春樹著「海辺のカフカ 上・下巻」/中村和恵著「地上の飯 皿めぐり航海記」/島尾敏雄著「死の棘」/桜庭一樹「お好みの本、入荷しました 桜庭一樹読書日記」
 【4月…6冊】 白石一文著「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上・下巻」/今柊二著「定食と古本」/最相葉月著「なんといふ空」/イアン・マキューアン著、小山太一訳「贖罪 上・下巻」/長田弘著「ねこに未来はない」/中島義道著「人生に生きる価値はない」
 【5月…1冊】 郄山文彦著「どん底 部落差別自作自演事件」
 【6月、7月…なし】
 【8月…4冊】 グードルン・パウゼヴァング著/高田ゆみ子訳「そこに僕らは居合わせた」/佐藤雅彦著「考えの整頓」/いしいしんじ著「遠い足の話」/熊井明子著「私の部屋のポプリ」
 【9月…6冊】 幸田文著「幸田文 旅の手帖」/INAXブックレット「愉快な家 西村伊作の建築」/石垣りん著「ユーモアの鎖国」/野見山暁治著「四百字のデッサン」/吉田戦車著「逃避めし」/今柊二「定食と文学」
 【10月…8冊】 平松洋子著「忙しい日でも、おなかは空く」/吉田篤弘著「つむじ風食堂の夜」/春日武彦著「精神のけもの道」/四方田犬彦著「ラブレーの子供たち」/吉田篤弘著「木挽町月光夜咄」/クラフト・エヴィング商會著「おかしな本棚」/川上弘美著「これでよろしくて?」/井上荒野著「森のなかのママ」
 【11月…4冊】 島本理生著「生まれる森」/森絵都著「永遠の出口」/吉田修一著「横道世之介」/平松洋子著「買えない味」
 【12月…4冊】 星野博美著「のりたまと煙突」/三浦展著「東京高級住宅地探訪」/井上荒野著「キャベツ炒めに捧ぐ」/吉田篤弘著「それからはスープのことばかり考えて暮らした」

 ※読了した50冊のうち、小説が19、その他(エッセイ、ノンフィクションなど)が31冊で、少し偏った読書傾向だった(昨年は小説が26、その他が24)。特につわりが終わった直後にエッセイばかり読んでいたことが影響している。前半は上・下巻の長編小説を4作も読んでいるが、後半は軽い内容のものしか読んでいない。
 今年新たに出会った書き手は、荒川洋治平松洋子吉田篤弘星野博美など。吉田篤弘の本は「クラフト〜」名義のものも含めると4冊も読んでいて、立て続けに同じ著者の本を読むことがあまりない自分としては、ずいぶん珍しい。今後も新刊が出たら読みたいと思う。

今年のベスト5。

 では、今年読んだ本のベスト5を発表いたします。

  1位 島尾敏雄著「死の棘」(新潮文庫
  2位 村上春樹著「海辺のカフカ 上・下巻」(新潮文庫
  3位 いしいしんじ著「遠い足の話」(新潮社)
  4位 四方田犬彦著「ラブレーの子供たち」(新潮社)
  5位 吉田篤弘著「それからはスープのことばかり考えて暮らした」(中公文庫)

 今年も新潮社の本が上位4作を占めることに。1位は言わずと知れた名作。2位も今さらという感じだが、5月9日に蜷川幸雄演出・柳楽優弥主演の舞台版「海辺のカフカ」を見に行ったせいもあって(つわりが始まりかけていたので日記に書いていない)、深く心に刻まれている。
 ↓ 5月9日、彩の国さいたま芸術劇場